会長挨拶

会長挨拶





第29回へき地・離島救急医療学会学術集会の会長を拝命し、現在の勤務地である和歌山県有田市での開催を検討しましたが、諸事情にて2026年の学術集会は京都市とさせて頂きました。


本学会学術集会は第10回まで参集の利便性もあり、都内で開催されておりましたが、第11回以降、会長の所属する地域に会員が集まって、学術活動の傍ら全国の地域の実情にも触れる機会を作って頂いておりました。和歌山に皆様をお招きできない事を残念に思う一方で、よりアクセスの良い会場を用意しましたので、多くの皆様に参加して頂く事を願っております。


さて、今回の学術集会はそのテーマを「救急医のへき地医療と総合診療医の救急医療」としました。本学会の前身であるへき地・離島救急医療研究会は、全国の医科大学に救急医学教室が開設され、重症救急患者に対応する救命救急センターが我が国に広く普及した1990年代後半に、へき地・離島ではそもそもの医師不足や医療体制の不備がある中で、より良い救急医療体制を構築するためには、都市部とは異なるアプローチが必要ではないか、とのCQに対する厚生省健康政策調査研究事業から設立された学術団体です。それから四半世紀が過ぎて、我が国の救急医療は、ドクターヘリの全国整備や、ハイブリッドER・ECMOセンターなど超重症患者対応設備の充実、メディカルコントロール体制の進歩、脳卒中・循環器病対策基本法の制定などが進んだ一方、急速な高齢化と人口減少を背景とする医療需要そのものの先行きが見えなくなっている事など、一部の大都市以外は、市街地とへき地の差が縮まっているのではないかとも思われます。


このような状況の中で、長年重症患者さんに携わってきた救急医がセカンドキャリアとして地域医療や在宅医療に関わっているとも聞きます。逆に総合診療医としてへき地・離島医療に携わっている医師にとっての救急診療はプライマリケアとして習熟する範囲で十分なのか、地域医療における救急診療のあるべき姿、目指すべき姿を、この学術集会を通して考えてみたいと思います。

今回の学術集会は、所属病院の管理母体である公益社団法人地域医療振興協会に運営のお手伝いをお願いしました。当協会からは、第7回の吉新通康会長はじめ、これまでに第15回 折茂賢一郎会長、第19回 崎原永作会長が学術集会を担当されています。地域医療のキーワードのもとで、関係するすべての人がつながる場所を提供する、という協会の考えに沿って、これからの救急医療を考えるきっかけになれば幸いです。


隣国からのインバウンド観光客が減っているとはいうものの、紅葉シーズンに重なる京都は混雑が予想されます。会員の皆様に参加して良かった、と言われるよう、事務局一同準備を進めておりますのでよろしくお願い致します。


会 長  加 藤 正 哉

公益社団法人地域医療振興協会

有田市立病院 管理者